ハグとナガラの母親介護の価値観は真逆
独身キャリアウーマンで旅友だちの
ハグとナガラ。
年齢を重ねるうちに
母親の老いという避けて通れない悩みを
2人とも抱えるようになります。
会社務めのナガラは
あっさりとホームへ入居させますが
ハグは自分で面倒をみることにこだわり
仕事の拠点を離れ、母親と同居。
結果、順調だった仕事がうまくいかなくなって…。
原田マハさんは
作品の中で二人の親の介護に対する価値観の
ちがいについてはほとんど言及していません。
読んでるほうとしては
ハグがどんどん追い込まれていくことに
歯がゆさを感じます。
もっと人に任せればいいのにって。
だけど、そんなことは賢いハグは
もちろん、わかっていたはず。
何がいい、悪いではなくて
彼女は、母親の面倒をできるかぎり自分の手で
したかった、ということなんでしょう。
だから、さっさとホームに預けたナガラを
批判することもない。
自分の思うように生きるってことは
親の面倒も自分が思うようにするって
ことなのかもしれません。
ほんの少しだけ織り込まれたアートのエッセンスも
原田ファンとしては嬉しい