母に優しくできない自分が嫌い。
81歳の母は一軒家でひとり暮らし。
私は10日に一回を目安に、片道一時間半かけて様子を見に行く。
でも、優しい言葉をなかなかかけられない。
若いころの恨みつらみが、もう遠い昔のことなのに
なぜだか蘇ってくるのです。
あの時、あなたの配慮のなさで私が学校でどんなに
惨めな思いをしたか知ってる?
小さいころから私の行動を制限して、楽しみをうばった。
周りの友人たちのように逞しく成長できなかった私が
大人になってから、どれだけ苦労したか知ってる?
大学卒だけど、社会のことを何一つ知らないあなた。
プライドだけ高くて、市役所から送られきた書類ひとつ、
満足に理解できないあなた。
オーバー80の母にそんなことを言ってもしょうがない。
でも、昔の恨みつらみが心の奥底から出てきて私を苦しめる。
だけど、私が支えなければいけないことはわかっている。
母なりの愛情をしっかり注いでくれたのも事実だから。
古い家の不具合がまた見つかった。
工事の手配をしなければ。
お父さん、お母さん、あれだけ過干渉に必要のない心配を
してくれたけど、本当に心配してほしかったのは今。
15年前にリフォームしたとき、見てくれじゃなくて、
年取っても不安なく暮らせる家に減築してほしかった。
そしたら、私の今の負担がかなり減ったはずなんです…。
人は他者に過度に見られると苦しくなる。
写真は横浜で開催されたバンクシー展にて次男が撮影。