一人が好き。でも寂しがりやの人生後半戦

楽しくて少し知的な生活を目指すアラフィフのブログです

時間ってなんだろう…生きてるって…

幼いころ、

葉山の別荘で夏を過ごした二人の女性が

25年の年月を経て別荘で再会する‥


葉山という土地がらと

夏の時間をともに過ごすという設定にひかれ

読み始めました


朝吹真理子さんの「きことわ」


海辺の街は、明らかに都会とは

空気も時間の流れもちがう


そして夏という季節は

身につけるものも最小限でいいからか

自然を肌で感じられる


私も祖母の家が湘南にあったので

幼いころ海辺の街で夏を過ごしました


あのころ感じた空気が

小説の中に表現されていました


そしてとらえどころのない

“時間”が小説の中で不可思議に動きだす


亡くなった人の面影が

次から次へと現れる

幽霊ではなく、面影


生きてることと亡くなっていることの

境い目がわからなくなったり


時間は必ずしも

一定の速度で流れているわけではないと

感じたり‥


独特の世界観を

研ぎ澄まされた言葉で表現している


今まで会ったことのない文体


調べると著者の朝吹さんは

国文学をしっかり勉強された方で

古典にも造詣が深いようです


格調高い文章ですが

さらっと読めます


ベッドでまどろむ感覚で読みたい

一冊です