一人が好き。でも寂しがりやの人生後半戦

楽しくて少し知的な生活を目指すアラフィフのブログです

心を重ねて観る 禅と瞑想と絵画

まるで、私の心の変化を描いたみたい…


神奈川県立近代美術館で観た
横尾龍彦さんの絵です


芸大出身の秀才ですが
お母様は霊能者で
戦争を体験したこともあり
見えなくていいものも見えてしまうのか
精神的には不安定だったようです


若いころの作品は
その内面を描いたような
ちょっとおどろおどろしいものも多くて


それがヨーロッパと日本を行き来するようになり
シュタイナー (哲学家・神秘思想家)や
禅、瞑想に親しむに連れ
画風が変化していきます


まずおどろおどろしい作品が
爽やかな青の世界へと変化し

(と言ってもよく見ると、きれいなものばかり
描かれているわけではないのですが…)


そのあと制作に瞑想を取り入れ
抽象的・神秘的でありながら
書をおもわせる画風に変化したそうです


ここ数年、私の心も同じように
変化してきました


夫の精神が荒れだして
私も年齢的にも気持ちが不安定で
もがいていたけど


毎日祈ることで
なんとか心の平安を得ました

横尾龍彦 瞑想の彼方 神奈川県立近代美術館 葉山

円は悟りの境地を表すそうです


この円相(えんそう)の前で
私はしばし動けなくなりました


この絵を観ていると
心がどっしりとしてくるのです
でも、安定だけじゃなく
線をつなぐ最後の筆の勢いに
生きるエネルギーも感じます


芸術家は
私たち凡人の代表として苦しんで
そして作品を生み出してくれるのかも


そんなふうに感じた企画展示でした