なりたい自分に少しでも近づく。これが大切。
フランス人が"マダム"、と声をかけるときの
ひびきが好き。
年を重ねて身につけてきた知性や美意識に
敬意を払っているように聞こえるのです。
図書館で借りた銅版画家の山本容子さんの旅エッセイ。
若いころに自分でも訪れた南仏のマティスの礼拝堂や
大好きな作家、原田マハさんの本に紹介されていた
メキシコの画家夫妻(ディエゴ・リベラ、フリーダ・カーロ)
のことなど出てきて、楽しめました。
ひとつの興味をいろいろな角度から知るって面白い。
ところで、山本容子さんは、まさにマダムという言葉がぴったり。
しかも、1980年代、社会主義体制のルーマニアを
マニュアル車をレンタルして旅するという逞しさ。
私より20歳ほど年上の憧れのマダムです。
知的で
高い美意識をもち、
冒険心に富む。
ほんの少しでいいから、そんなマダムに近づきたくて
心の隅に理想のマダム像をいつも置いています。
少しでも近づく、これが大切、と思います。
山本さんが作る旅ノートも魅力的。
このチケットコラージュはさすがのかっこよさ。
2009年発行の本ですが、昔の旅のことも書かれていて面白いです。