寂しくない人なんていない
森沢明夫さんの「虹の岬の喫茶店」の
主人公、喫茶店を営む悦子さんは
一人で凛として生きる人
だけど、悦子さんも年を取る
小説の最後には、昔のように
テキパキと動けなくなり
台風の夜に一人、孤独と戦い
もう、喫茶店を畳もうと思い悩む
悦子さんの姿が描かれています
悦子さんの弱さを突き付けられて
読んでいるほうは
ちょっとショックを受けるのですが
だけど、すぐに気づく
寂しくない人なんていないんだって
笑顔を絶やさない人も
人の知らないところで
孤独と戦っていたりする
その孤独、寂しい思いを描く
森沢明夫さんの文章は上手い
上手くて、なぜかほっとする
あぁ、こんな思いをしているのは
自分だけじゃないんだって
人は、弱いときもあれば
強いときもある
それでいいんだなって
そう思うだけで、少しラクになれました