五月の庭で母と会う
母は一軒家で一人暮らし。
接客業の私は、今は母に近づくことが怖い。
そこで、おいしいパンを買って、実家の庭にキャンプ用の椅子と机を持ち込み、
軽くピクニックすることにした。
このくらいなら許されるでしょう。
書道教室も、リハビリ教室もお休みになってしまって、だれとも話さない日々。
急に老け込んでしまうのではないかと、心配していた。
電話では元気な声が聞こえていたけれど…。
不安は的中。
今までになく、心配性になっていた。
家が古く、いろいろなところにガタがきていることも不安を増長させていた。
水漏れする蛇口は主人が付け替えてくれることに。
はがれた網戸は寿命と判断し、新しいものを購入することにした。
こういうときばかりは主人に心から感謝。
私では手に負えない。
工事が終わるまでは、彼の気分を損ねないように気を遣う日々になるけれど。
老人用の住居に入りたい…、と初めてはっきりと言った。
確かに、そろそろ一人暮らしは限界かもしれない。
一年くらいかけて、ゆっくり考えようね、と話した。
母と私家族にとって、なにが大切なことなのかを考えなければ。
お互いに楽になって、もっと良い関係になりたい…。
母の庭の薔薇。美しすぎてかえって悲しい…。