一人が好き。でも寂しがりやの人生後半戦

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上質な小説との出会い 有吉佐和子さんの「青い壺」

すいぶん古い小説ですが、

最近おもしろいと話題になってるらしい。

読んでみると、これはさすが、

他の作家には真似できないな…と納得です


人の心の中のたわいない思いを、

きっとみんな密かにあれこれ思っていること、言わずに抑えていることを

うまいこと語らせていく


美しい壺は、次々と持ち主を代えていくのですが、

持ち主の自分勝手ながら懸命に生きる姿、

あれこれ思いあぐねる様子が

なんとも面白いのです


個人的には、

70代の老婆の同窓会旅行のくだりが、

ツボにはまった

老人特有のめんどくさい言動が

愛をもって書かれていました。


それにしても、

今の70歳はとっても若いけど

40年前には、「よくここまで生きた!」

と思う年齢だったのですね。


唯一、そこに時代を感じました


優れた小説を読むときにいつも思うのですが

これほどに感受性が強い作家さんは

生きづらいだろうな…大変だろうな、と


有吉さんもずいぶんと苦しんだようですし


私たち凡人の代わりに苦しみながら

作家さんが生み出された逸品を

私はありがたく楽しませてもらい、

心を安定を得る


こういう上質な本との出会いに

感謝です