月の美しい季節に子どものころの夢を思う
私の名前には、月という漢字が二つもついている。
だからだろうか、私はお月さまが大好き。
月のきれいな夜は、それだけで嬉しくなる。
小学校5年生くらいのころから、星が大好きになり、父に小さな望遠鏡を買ってもらって、
毎日のように東京の冴えない夜空を観察した。
流星群があるとか、月食があるとか知れば、夜中までじっと待っていたり、恐ろしく早い時間に起きたりして夜空を見上げていたのである。
天文学者になる!と豪語する天文オタクキッズだった。
進学した中学には天文部があったので、迷わず入部。
夏には小海線に乗って八ヶ岳まで星空合宿に行き、寝袋を敷いて、降ってきそうな満点の星空を友達や若い女性の顧問の先生と楽しんだ。
なんて素敵な思い出。
でも、成長するにつれて気づいてしまった。
理数系の難しいことがわからないと、天文学者になんてなれないという現実に。
その後、高校はちがう部活で楽しく過ごすうちに、星のことなど忘れてしまった。
それでも、ときどき夜空を眺める。
すると、実家のベランダから好奇心の塊のようになって星を眺めていたときと同じような不思議な感覚がわいてくる。
この世の中って、何なの?
宇宙ってどうなってるの?
ちょっと怖いような気持ちになる。
でも、月は特別。安心と静寂をくれる。
ずっと地球に寄り添ってくれている存在だからかな。
ゴッホ 星月夜と糸杉の道