好きのリンクが運んでくる幸せ
何が好きなのかがわかってくると、何気ない毎日が輝いてくる。
私の好きは、読書、絵画、光、風、海。
大好きな原田マハさんの小説、ロマンシェを読んでいたら、登場人物たちが勢いで、
フランスの海辺のリゾート地、ドーヴィルへ車を走らすという場面が出てきた。
ん?ドーヴィル?なんか聞いたことあるな…。としばし考えて
そうだ!寝室に飾っているデュフイの絵のタイトルが「ドーヴィルの競馬場」だった、
と思い出した。
ここのビーチに行ったのね、と絵を観てほほ笑む。
ささやかな楽しみ。
しかも、小説に出てくる実在するリトグラフ工房では、南仏にあるマティスが設計した礼拝堂の絵ハガキを、今も昔も印刷しているという。
マティスの礼拝堂?
それは、若かりし頃、レンタカーを借りて必死で訪れたけれど、休館日で泣きをのんだあの、礼拝堂だ!
これは入り口。
まぎれもなくマティスの礼拝堂であることがわかります。
でも、中には入れない…。
悔しくて悔しくて、柵の間にカメラを入れて、写真を撮っていた私を、
友人がカメラに収めていました。
20代の私。写真に93年ってあります。
懐かしいなぁ。
この数年あと、結婚・出産して(しかも長男と次男は10歳もちがう)、自分の“好き”
なんて封印してきたけれど、少しずつ、また閉めた箱を開け始めています。