ピカソの恋人でカメラマンだった
ドラ・マールです

ピカソがゲルニカを描く工程を
アトリエで撮り続けた女性

恋多きピカソは
新しい若い恋人ができると
ドラを疎ましく思うようになったらしく

ドラは追い出されるように
別れたみたい

ピカソに捨てられ精神を病み
かつてのエネルギッシュな芸術活動は
できなくなり
信仰を心の支えにして
細々と絵を描き、写真を撮り
89歳まで生きたそうです

でも、ここに描かれているドラは
文句なく美しい

そして少しの悲しみと意志の強さと
芸術家としての自分の稀有な才能への
自信すら感じます

だからね、いいのよ

人生の中で輝くときが一瞬でもあったなら
それで十分

しかもドラは
こうして永遠の美しさを
額縁の中に封じ込めてもらったんですから

ベルリンにある有名な美術館が
大規模改修中のため
ピカソやクレーのすごい作品たちが
上野の国立西洋美術館に
来ていると聞き、出かけました

平日なのになかなかの人出

海外からのツアー客や
修学旅行生もいましたよ

ピカソはドラをモデルにして
多くの傑作を描いていますが

緑のマニキュアをした
輝くばかりに生き生きと美しいドラが
私はいちばん好きです