一人が好き。でも寂しがりやの人生後半戦

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禁断の書「家族という病」を読んで見えてきたこと(修正版10/26公開済み)

フリーアナウンサーでエッセイストの下重暁子さんが2015年に出した本。
このタイトルを見たとき、ドキッとした。


これを読んだら、私、楽になるかもしれない。


でも、この本を手に取ると、なんだか自分の
黒い部分を認めることになるような気がして
手を出さずにいたのだけれど…。


いつまでも家族に鬱屈した気持ちを抱えているのはよくない、
そろそろ整理をしなければ、と思うようになった。


その助けになれば、と私にとっての禁断の書
「家族という病」を読んだ。


家族という病 下重暁子


下重さんは、昭和11年生まれ。
私の母と同世代。


小学生のころに戦後を迎え、価値観も環境も
大きく変わる社会で成長したいった世代だ。


彼女は元軍人だった父親と、その父親に昔ふうに尽くす
母親に強く反発し、確執を深めていく。


自分の生きたいように生きるという強い意志を持ち、
反発し、そのためには経済的自立が必須、と懸命に頑張ってきた。


私との大きな違いはそこ。
反発が中途半端で、しかも経済的に自立する
体力も気力もなかった。


ただ、彼女の複雑な親への思いが、ところどころ
私と似ていた。


親には、自分が理想だ、正しい、と思う存在であってほしい、
という思いが強すぎる。


親も子も所詮は人であり、不完全で、別の個体であることを
互いに認め合うことが必要なのだろう。


確執を埋めることなく亡くした親に、長年の鬱積した思いを
手紙にしたためたものが、巻末に掲載されている。


きれいごとは一切ない、赤裸々な思いをつづっている。


故人に手紙を書くことは、
自分の心を整理するための作業だったのだという。


自分の生きたいように生きる
自分の人生に責任をもつ
血のつながりばかりを重視せず
家族という鎖を切る勇気も時には必要。


力強いメッセージを受け取ったけれど、
彼女も80代。


老いの不安も少しだけ感じた。
この本には続編もある。
読んでみようと思う。